大学でやる科学(学科選択)理学化学などについての話。
大学で何を学ぼうか悩んでいます。
理学部と工学部では理学部の方が自分の興味とあっていると思ったので理学での話です。
世の中がどうなっているのか、科学をもとに追及していくのが好きなのですが、
物理でも化学でも似ているので判断が難しいです。かつどちらも習っているので。
物理の量子力学はおもしろそうなのですが、世の中を全て数式に表したい、といった願望はなく、
素粒子云々も興味はあってもそこまで厳密には別にやらなくてもいいかな、と思ってしまいます。
そういう意味で原子レベルで考えられる化学がいいとは思うのですが、量子化学に関してはすでに高3なのに何も知らないので
とっつきにくく、本当にこれがやりたいのか?と悩んでしまいます。一応電子がどうなって、どうなって、みたいな仕組みは理解してみたい分野だったりします(あくまで一例)
とまぁ自分でもごちゃごちゃしているのですが、やはり理学をやる以上はもう就職のことは考えずに科学の世界に生きるべきなのでしょうか? やはり将来性が見えないというのは不安要素でもあります…。
インターネットでは量子"科学"に関する叫びや反対意見も多いので最後の最後に決めかねてしまいます。
やりたいことが学べたらそれだけでいいとは思うのですが、理学の世界でやりたいことってなんなんだろう、とも思うわけです。
まだ高3ですが、どうお考えになりますでしょうか。
あと結局自分の無知さが問題の根源になっている気もします。どうすれば前に進めますでしょうか…。
学校はそこまで深い話をしてくれません…。
御存じと思いますが、理学は物事の原理、法則性を根源にさかのぼって追及します。工学はその成果の上に立って主として人間に役に立つ応用を研究します。理学の中の学科は大きく分けて、物理、化学、生物、地学、数学とありますがみな原理や法則性を追求します。法則性は極力数学の言葉で表現されます。数学は自然法則を厳密で客観的な形で表現するための言語だと思ってください。工学の分野でも同じことです。
それが難しいかそこまでいかないところでは、例えば生物における進化論ではそれを厳密に表す法則や原理は発見されていないので、分類学的に集められた知識データベースをもとに様々な指標を用いて現象論的に集約した形で、多くは言葉を用いて表現されます。しかし今日では遺伝子DNAの分子進化の数理的な解析も盛んです。またライフゲームの手法などを用いた計算機解析も一般的になっています。さらに生物の生理現象を理解するには生体化学物質の化学反応を知らなければなりません。
化学は原子、分子以上の大きさの単位での化学的性質を研究しますが、化学反応ではエネルギー保存則とエントロピー保存則という物理学の原理に基づいた数理的解析が欠かせません。また分子の性質を追求すればその空間形状と電子分布に基づいた量子力学に踏み込まなければなりません。分子間相互作用、つまり化学反応は電子の交換などの相互作用であって、その力学は量子力学によって記述されるからです。先端化学はたとえば高分子の設計にまで踏み込んでいますが、そこで活躍するのは単なる経験的な分類学ではなく、物理学の原理、量子力学なのです。
あなたの言うところの「ネットでの反対意見」などは物を知らない人間が発する雑音にしかすぎません。もしくは商売で「疑似科学」を発信するものです。あるいは、「科学」に基づいた人間の技術がもたらす功罪についての議論を、科学そのものの問題にすり替えた議論です。そういったものの信頼性を判断するために必要な知識は高校生にはまだありません。
あなたが本当に熱心で科学の世界を知りたいのであれば、それなりに信頼性のある啓蒙書や雑誌を読まなければなりません。インターネットで無料で手に入るものの信頼性は保証されませんし、情報には極めつけの偏りがあります。多くは個人が趣味で責任を持たずに発信しているものだからです。Wiki では時事の辞書的なものを目指しており科学の個別の項目に関する一般的解説もありますが、それとて内容は保証されず多くの誤りが散見されます。やりたいことを知るにはまず、正確で保証された情報に触れることが大切です。
科学に関する様々な啓蒙書は良く知られたところで岩波新書などから多く出ています。目録を探してみるといいでしょう。またより噛み砕いてあって面白く読めるものとして、ブルーバックスがあります。そこで注意するべきは「~は間違っていた」式のタイトルの本です。それはたいていは疑似科学に分類されるもので、しっかりとした基礎学力がなければ読むと害になります。お勧めするのは佐藤勝彦さんなど、専門の世界で著名なしっかりした科学者の書いたものを読むことです。
他にも多くの先端科学についての単行本等も出ていますし、全部購入するのは大変でしょうから、学校の図書か公立図書館を利用するとよいでしょう(無料)。
先端科学を含めた科学で定評のある良い雑誌は、「日経サイエンス」、「ニュートン」、「科学」、「ナショナルジオグラフィック」、「ネイチャー」、「パリティ」、「数学セミナー」、「数理科学」などがあります。最後の三つは専門的ですが、どんなことがあるのかを知るには良い雑誌で、高校生から読んでもおかしくはありません。また化学に特化したものでは、「化学」、「現代化学」などがありますがこれも専門的です。いずれも毎月購読するには少し値が張りますから、やはり図書館をお勧めします。
まず図書館でこれらの雑誌や書物を探してみましょう。どれだけ様々な分野があるか発見してさぞ驚くことでしょう。ネットを眺めているだけでは到底それらを系統的に見つけることはできません。電子雑誌や電子書籍は一部が始まっただけで、人類の知恵のほとんどは図書館にあるのです。あなたが何をやりたいかを考えるのはそれからです。
最後に学校の授業を受身で聞いているだけでは深い話を引き出すことは出来ません。それでも心得た先生なら「~という雑誌を読むといい」とか授業で勧めてくれることもあります。しかし、もっとよく知りたいなら先生に聞くことです。推奨の本や雑誌を教えてくれることでしょう。そうして実際にそれを手に取って読み、自分で判断すればいいのです。学校に期待するなという人もいますが、その姿勢は間違っておりダメな考えです。先生にもいろいろ深い知識を持った人はいますが、積極的に利用しようとしない限り引き出すことは出来ません。
2年で学科が分かれる某旧帝の化学系博士卒です。
化学のほうから見たイメージで。
大学で化学をやるなら高校レベルの物理化学生物数学は必須です。
ある程度の数学力がないと、量子(に限らず)の授業の式変形がなにもわからなくなるかもしれません。
逆に、高校でイメージする物理、化学は全部化学でやります。
私のいってた大学では、合成をしたいなら有機系、生理活性を見たいなら生物+無機系、光とか力とかを測定したいなら物理系、シミュレーションを専門にしたければ理論物理でしたね。
私は量子なんて言葉すら知らずに大学に入りましたし、授業も高校物理レベルからを前提で始まります。
実験メインの研究室に行くと、物理系でも量子をほとんど使わずに卒業します・・・というかしました。
合成と光学測定、顕微鏡観察がメインでしたが、ある程度公式化されたものが論文発表されていますので、それに数字を入れるだけでした。公式を導出するなら高度な量子計算が必要ですが。
物理は宇宙系が多かったので、身近な物質の科学とは違っていましたね。
後、理学部の化学と工学部の応用化学は、物質ありきでそれの応用を考えるのが理学部、目的(レーザー材料とか)が先にあってその材料をというのが工学部のイメージがあります。
就職については、理系職に進みたかったら修士卒が前提の雰囲気はあります。
工学部は研究室次第ではコネが・・・という「噂」は聞きますが、ほんとかどうかは知りません。
また、そういう噂が流れるぐらい理学部としては少ないです。
あくまでイメージですので、多分に偏見が入っているとは思いますが、それを考慮しての参考までに。
>あと結局自分の無知さが問題の根源になっている気もします。どうすれば前に進めますでしょうか…。
結局のところ、この質問の根本はこれですね。しかもあなた自身によって半分答えを出しています。
無知が原因であるなら、勉強してみればいいのです。かじる程度で構わないと思います。
自分が興味があるかも知れない分野について実際に勉強してみれば、すこしは具体的にその分野の様子がつかめてくるでしょう。
そうすれば自分が何に興味を持っているのかも、少しはわかるでしょう。
具体的には、志望している学科のテキストを買ってみて(おそらく少し高いでしょうが)、読んでみるのです。
進路選択のためにそのくらいの出資は当然だと思います。
また、問題点(あくまで私が問題と思う点ですが)としては
>学校はそこまで深い話をしてくれません…。
という姿勢です。学校にそんなことを期待してはいけません。あくまで自分の興味は自分との対話(こういう言葉はあまり使いたくありませんが)によって発見すべきことがらであって、学校に答えを教えてもらうものでも、また教える立場の人から言っても教えられるものではないからです。
>インターネットでは量子"科学"に関する叫びや反対意見も多いので最後の最後に決めかねてしまいます。
反対意見(?)の中には不勉強なものも見受けられますから、なんでもうのみにするのは避けた方がいいと思われます。
相対論と量子論はなぜかそういったやからが多いので、気をつけてください。
もちろん、全員が全員そうであると言うつもりはありませんが。
この回答では「少し」を連発しましたが、これは私もまだ自分の興味について把握しきれていないところがあるためです。
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